「生活保護」という言葉に、みなさんどんなイメージをお持ちですか。
 ポジティブかネガティブかと問われれば、ネガティブな印象をお持ちの方が大半ではないでしょうか。なぜでしょう。それは、生活保護に絡んだ話題の多くが「不正受給」、または「打ち切り」「水際作戦」など、生活保護を受けたくても受けられない、そしてその結果、「孤独死」が起きた、などというものばかりで、「生保のおかげで助かった」とか「生保があるから安心」などの話を一切聞かないからではないでしょうか。
 なんでそんなことになってしまっているのか。「健康で文化的な最低限度の生活を保障する」との憲法条文はどうなってしまったのか。生活保護をめぐる動向から探っていきたいと思います。

06 Feb

 大阪に帰省する度に悩むこと、それも毎回同じ悩み・・・それは、大阪の土産品、特に日持ちのするお菓子は何なのか?ということです。

 

お隣の京都を見ると和菓子がずらり、お隣の兵庫県を見ると神戸を中心に洋菓子がずらり。昔からある大阪の土産菓子といえば「粟おこし」でしょうか。私が幼稚園ぐらいの頃は、お菓子屋さんに箱入りの粟おこしが置いてありました。それ以外を考えると、釣鐘まんじゅう、大阪では有名なメーカーのあられ・・・。たこ焼き、お好み焼き、イカ焼きは有名でも、お菓子となると他にこれといったものが浮かばない・・・。大阪駅前の百貨店やキヨスクに行っては京都や神戸のお菓子がひしめき、何を買ってよいやら分からなくなります。あるとき、ふっと思いました。まともに考えては絶対に勝ち目はない(別に京都や神戸と勝負している訳ではありませんが)、これからは「いかにウケるか」でお菓子を選ぶしかない・・・これでいこう!と。

 

さて、今回は、1月27日に放送された「クローズアップ現代」を観て思ったことについて触れていきます。若年女性の貧困がテーマでした。単身女性、子どもを抱える女性の経済的貧困が社会的に問題となっているということで、単身という点では同じなので、他人事とは思えず観ていました。若年の単身女性といえば、以前は、いずれは結婚するので経済的に貧困であるといっても一時的なものであると考えられてきました。また、「パラサイトシングル」という言葉が流行ったように、親と同居して親にある程度頼って生活していれば、それは貧困ではないとみられていました。ところが、現在では仕事を持っている女性の半数が非正規労働で、晩婚・非婚が増加し、また、親も経済的に厳しい生活を余儀なくされて親を頼れない、というように、日本社会の若年女性の生活環境は大きく変化し、経済的困窮が浮き彫りになってきたのです。番組では、学校に進学するためにいくつもアルバイトを掛け持ちしている女性、仕事を求めて上京したけど正職の仕事に就けず、1日に3つほど仕事を掛け持ちしても月に10万円ほどしか収入がない女性に取材していました。このような状況の中で女性たちは、将来は結婚する、子どもを持つ、などといったことはとても考えられないということを話しておられました。

 

また、若くしてシングルマザーになった女性が仕事と住む場所を同時に確保するため、風俗業で働かざるを得ないという実態も取り上げられていました。そこでは、仕事と住居が保障されるのはもちろん、仕事をしている間の託児所が完備され、困ったときは職場のスタッフに相談できるなど、シングルマザーが必要としていることが完備されていることでした。

 

実態を観てびっくりして思ったことは、本来なら行政機関が関与して行うものが一民間で完備されていること、それででは本来彼女たちを援助する行政機関は何をしているの?ということです。ある女性は、生活保護を申請に行ったら、支給が決定されるのに2~3か月かかると言われた、と話しておられました。生活保護制度に関して言えば、行政機関のこの発言は明らかに違法です。申請を受理してから2週間以内に生活保護の要否判定の結果を申請者に知らせること、何らかの事情でそれができないときでも30日以内に要否判定を出さなければならないと、生活保護法に明記されています。女性はその他にも、子どもを保育所に通わせようと思っても、仕事が見つかってからでないと申し込めない、でも子どもがいると仕事を探そうにも探せない、と話しておられました。特に都市部では保育所が足りず、待機児童が多くいます。シングルマザーは自分が働かないと今日食べていけないという深刻な問題に直面しています。それにもかかわらず保育所が増えない、いや増やそうとしていません。

 

 この番組を観て、単身女性が増加して初めて女性の経済的貧困が、将来の夢も抱けないほど深刻なものになっていること、そしてそのような女性を援助しなければならない行政機関が機能していない、生活保護制度に関しては明らかに違法なことを言って女性を追い返し、制度から遠ざけていることにショックを受けました。

 

 これらは、女性の労働環境があまりにも貧困な状態に置かれたままであることが一番の問題です。労働環境が貧困では、何らかの社会保障制度を十分機能させなければなりません。しかしながら、私たちが生活に困窮したときの受け皿である生活保護制度すら機能していません。私たちは一体何を生活保障の基礎に据えていけばよいのでしょうか?

 

参考文献

宮本みち子・小杉礼子編著『二極化する若者と自立支援――「若者問題」への接近』明石書店、2011年

 

元金沢星稜大学非常勤講師 冨家 貴子